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盛岡「フォーラム」で「YASUKUNI 靖国」

映画の話そのものよりも、中国人監督に補助金を出したことになったことが話題になって騒動になった、というほうがでかい映画です。
東京じゃうまく上映できなくなったり、逆に上映会やったりなんか大騒ぎしたわけですが、その後どうなったんでしょうね。
そんな映画がやっと岩手までやってきたので、この間の日曜日に見てきたわけです。

以下、ドキュメンタリー映画ですので困らないとは思いますがネタバレは存分に含まれていますので、そのつもりで。

「昭和8年から12年間、8000振り以上の日本刀が靖国神社で作られていた」

この映画、たぶんこの1つの事実を軸に、日本刀と日本人と戦争との関わりを調べて描くだけで、2時間程度の興味深い秀作ドキュメンタリー映画になったはずなんです。
その"靖国刀"の刀匠は現在最後の1人が生き残っているだけ、という事実もドラマチックですし、靖国神社のご神体が刀であるという事実だって結末に使える。

個人的な想像ですが、もともと監督はこの刀の話を軸に作るつもりだったんじゃないか。
後半出てくるたくさんの刀を使った写真。一応刀匠へのインタビューを主題に作っている構成。冒頭に出てくる靖国刀に関する説明。
ところが、こんなテーマを吹っ飛ばすような面白い絵が現場にいっぱいありすぎた。

8月15日に靖国神社に集まった人たちというのは。靖国神社の存在を肯定する人、否定する人。日本人、アメリカ人に台湾人。若者に年寄り。宮司に元軍人に政治家に警察官。立場はいろいろあれど、全員に共通するのは「少なくとも自分の考えていることは正しく、自分の行動は正義に基づいている」ということ。
立場が全く違うのにほぼ全ての人が「自分は正義の人である」と思っているわけです。
そんな人たちが1ヶ所に集まって起きるいざこざ。これが"たかが"刀よりももっと面白くなってしまった。

面白い映像があれば使いたくなるのは映像作家に共通のクセです。
実際それを使ったことでこの映画は非常に興味深い映像のオンパレードとなりました。
でも、その代わりに「刀」という軸は曖昧になった。
もちろん、「最後の刀匠」だって、貴重な映像には違いない。
それに、「正義の人」というものには決まった形がないから、軸にするのは難しいです。

面白いネタが2つあるのに、映画は1本しか作れない。
本当にこれは想像ですが、悩んだんじゃないかと思います。
逆に本人は、これが丁度いいバランスだと思ったのかもしれない。
どう思ったかはさすがにわからないですが。

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